真央流空手の技

★真央流の立ち方は、自然体だけです。両足を肩幅に開いて平行に立ち、少しひざを前に出した姿勢です。両手は、自然とたらします。ちょうど、歩いていて立ち止まったような姿勢で、ここから攻撃防御が始まります。

★真央流で使う体の部位(右による攻撃を例にして説明しています。)

1.手

①正拳(せいけん)

拳の握り方にあるように、手を開いた状態から指の第一関節・第二関節を折り込み、てのひらの一番上の部分につけ、そのままてのひらの中央に向かって握り込みます。しっかり握ったら最後に親指で、折り込んだ人差し指と中指をおさえて、拳を握り込みます。

相手にあてるのは、握り込んだ時に盛り上がる人差し指と中指の根元の部分になります。握るとわかるのですが、自分の正面真ん中から下の目標にあてるときはそのままでよいのですが、高い位置にあてるときは、手首を少し下に曲げますので、当たる距離が短くなります。間合いを間違いやすいので、よく練習して自分の間合いをつかんでください。

拳立て伏や、サンドバッグなどで相手に当たる正拳部分を鍛えます。少なくとも、腕立伏せや、指立て伏せが30回の1セットできるまでは、拳を痛めますので、固いサンドバッグなどかたいものをたたかないでください。上級者の場合は、塀や壁や鉄の棒など少しずつ固いものに挑戦するのもよいですが、拳を鍛えるためで、拳を壊すためではないので体調が悪いときは、無理をしないで休んでください。慣れるまでは軽く拳をあてる程度にし、次に、あてたままの姿勢から、腰で拳を押し込むようにして、腰の入れ方と、あてたときの体重の拳への伝え方を体に覚えさせてください。その次は、腰を入れるときに、足首を少しひねって、体重をより多く拳に乗せられるようにしてください。最後のセッションとして、自然体のたらした右正拳を相手にあてるまでに、正拳は拳の背を下にして、相手に当たる瞬間に内側にねじり込むのと同時に、右の腰は、少し後に引いてから拳が当たる瞬間にあわせて前に突き出すようにすると、体重がもっと乗って、重い拳になります。拳の握りは少し軽めにして、当たる瞬間に思いっきり握ると威力が増します。打撃をしたらすぐに、腰を引いて、正拳を引いて、次の攻撃防御に備えます。

相手にあてる場所は、上から下に、ひたい、鼻の下、あご、肩口、腕の内側、胸、みぞおち、下腹部、太腿などです。急所が多いので、人を相手に練習するときは、スピードを殺してダメージを与えないように、けがをさせないように注意してください。

バランスが崩れた場合でも、拳の威力が維持できるようにするためには、腰のひねりでバランスを立て直す方法と、ひざを落として、重心を低くして安定させる方法もあります。ただ、どちらも足首にかかる負担が大きくなるので、ロードワークや、シャドーランニングなどで、足腰の強化と、走りながらでもパンチを繰り出せる腰と足首との連動の癖をつけてください。

②裏拳(うらけん)

正拳を握ったときに盛り上がる人差し指と中指の根元の上の部分を相手に当てます。握り方は正拳とおなじです。

相手にあてる前に、拳の外側を相手に向けます。当たる瞬間に、手首から上の拳を自分側にいれてから、相手側に打ち込むように手首をいれます。ちょうど、握った拳を手首を中心にプラプラするようなイメージです。握りは軽めにしてから、当たる瞬間に固く握りますと威力が増します。腰と足首は正拳と同じコツです。打撃をしたらすぐに、腰を引いて、裏拳を引いて、次の攻撃防御に備えます。

相手のあてる場所は、上から下に、ひたい、こめかみ、鼻の下、ほほ、あご、肩口、腕の内側、みぞおち、脇腹、下腹、太腿の内側などです。

③手刀(しゅとう)

手を軽く開き、親指以外の指をくっつけて、第一関節と第二関節を少し丸めるように、まっすぐ伸ばしたラインから45度以上まげます。親指は人差し指の根元を、親指側からくっつけて押さえるようにします。小指の外側の感情線と、手首の間の部分が相手にあてる部位です。

刀で斬るようにして使います。自然体から、右手首を目の上にあげ腰を右後ろに少し引き、肘を相手の方に向け、上げた右手を手刀にしながら、腰を前に出しながら肘を自分の胸の中央に近付けながら、相手の首筋に手刀をめりこませるイメージで打ち込みます。打撃をしたらすぐに、腰を引いて、手刀を引いて、次の攻撃防御に備えます。

相手のあてる場所は、上から下に、頭頂部、こめかみ、ほほ、首筋、鎖骨、脇、腕の内側、手首、脇腹、足の内側、足首などです。